2020年02月05日

労働審判を体験

去る1/30、千葉地裁へ労働審判の見学へいってきました。

私は労働審判はおろか、裁判所へ行くのも初めてです。
とりあえずネットで労働審判の基本的な知識を入れて参加しました。
(今回、事前情報、あまり役に立ちませんでしたが)

まず、入口での手荷物検査にびっくり。
しかも空港の保安検査と同じ、X線検査と金属探知です。
ずいぶん厳重だとは思いましたが、
過去に裁判所で刃傷沙汰、起きていたんですね。


さて、裁判と違って労働審判は原則非公開。
我々は、控室で事のなりゆきを見守っていました。

労働審判へは、申立人が一人で挑まなければなりません。
(弁護士であれば同席可能だそうです)
しかも、最初に双方の顔合わせがあります。
労働審判を申し立てるほどの出来事があったわけです。
相手方の顔はもう見たくもない…ということがほとんどでしょう。

申立人としては、労働審判を申し立てるだけでも勇気が必要なのに、
審判に進んだ後もハードルが高い!(なんとかならないんですかね…)

でも、分からないこと、確認点があれば、
途中退席し控室に戻り、相談することができるそうです。
控室で終わるのを待つだけかと思っていましたが、
申立人をサポートできるということは知りませんでした!!

実際、先生方は申立人から状況を聞き、
次にどうすればよいか、を的確にアドバイスしていました。
そしてやり取りを繰り返すうちに、条件面も整い、無事に和解成立となりました。

労働審判では、弁護士でなければ代理人も同席もできないけれど、
こうやって、裏方としてサポートができる。
その現場を、目の前で体験することができた。

今後の自分の進む道を考える上での、良い参考になりました。
まさに百聞は一見に如かず。ですね。

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2019年03月03日

解雇無効裁判の口頭弁論傍聴しました

2月22日、東京地裁で口頭弁論を傍聴してきました。
事件の内容は、30年以上務めた職人さんが筋ジスに罹患し、会社は安全を確保できない事を理由に即時解雇した事件です。解雇無効で争っています。

今回の争点は、原告の病(筋緊張性ジストロフィー)によって、業務に支障をきたしていたのかです。
被告側は、「自宅で躓いて怪我をした」「自宅で転倒して頭部にこぶができた」など、業務と全く関係のない理由まで解雇理由証明書に挙げ、主治医に病状を確認することなく解雇しています。

今回は第1回目なので形式的な流れで進行し、時間にすると15分。
いくつかの法廷用語が飛び交い、原告側と被告側が提出した書面(訴状・答弁書・証拠説明書などの主張書面)について、その記載内容を読み上げたことにします・・・という一連の儀式が行われました。
理屈上ではきちんと口頭で主張を述べたという建前を維持して、時間を短縮するためだそうです(実際、裁判官はとても早口でした)。
裁判後、原告側弁護士がとても丁寧に説明してくださいました。
何度か耳にした法廷用語「しかるべく」は、同意しますの意味だそうですよ。
初めての民事訴訟傍聴でした。

東京地裁に行ったので、刑事裁判の傍聴もしてきました。
同意殺人(刑法202条後段)の事案でした。
夫が、妻から自身の殺害を頼まれ、妻が多量の睡眠薬(ハルシオン100錠、レンドルミン300錠)を服用し昏睡状態になったところで、夫がナイフで妻の頸部を2回刺したというもの。
夫も同時に自殺を試みるが、未遂に終わっている。
本件においては、睡眠薬が既に致死量に達し死亡していれば、ナイフで刺した行為が死亡の原因になったという因果関係が遮断されるため、被告は無罪となる→自殺か。
検察は薬物が死亡の因果関係がないことを立証するため鑑定を行っているが、時間がかかり過ぎており、弁護団と鑑定結果の時間を巡って激しい応酬があった。
検察は同意殺人は難しいと考えているため、訴因変更を申し立ている様子。
・・・・何とも重い事件で辛い気持ちになりました。

記事担当は岡本でした。

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2015年06月07日

本人尋問

こんにちはexclamation裁判傍聴チームの柏木です。
西日本各地が梅雨入り雨とのこと。じめっとする季節が今年もまたやってきましたね。

さて裁判傍聴チームでは労働問題のみにとらわれることなく定期的に裁判を傍聴しています。
今回は昨年来傍聴を続けている特定秘密保護法違憲訴訟第6回公判を傍聴しに東京地方裁判所に行ってきました。

今回の日程は「本人尋問」のために組まれたものです。
「尋問」というとものものしいかんじですが、この裁判を訴え出た本人にそもそもなぜこの裁判を起こしたのか、ということを質問にこたえる形で言わば意見表明をしてもらう場です。

とは言えそこは裁判ですので思いつくままになんでもかんでも言っていいわけではなく、まして嘘や架空の話をするなど論外です。尋問の前には裁判官も傍聴人も全員起立する中で真実だけを述べるという宣誓をします。

尋問そのものは訴えた側(原告)の弁護士さんが本人に質問する主尋問、訴えられた側(被告)の弁護士さんが本人に質問する反対尋問で進行しますがこの日は反対尋問は行われませんでした。
この本人尋問が終わると結審(双方の主張が出尽くした判決の直前の公判)がぐっと近づきます。
さて、判決はどうなるでしょうか・・・・・。

まったくの余談ですが、この裁判に興味を持たれた比較的有名な現職の国会議員の方も傍聴に来ていました。話しかけてみたかったけど勇気が出なかった小心者のワタクシめでした。おあとがよろしいようで。

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2014年11月25日

労働委員会の審問を傍聴しました

こんにちはわーい(嬉しい顔)裁判傍聴チームの柏木です。朝晩の冷え込みが厳しくなってきましたね雪北海道ではすでに雪が降り始めているようです。みなさんお加減いかがですか。

さて、今回はちょっと趣向を変えて、「労働委員会」を裁判傍聴チームのメンバーと傍聴しに行ってきましたのでご紹介しますexclamation

おっと、いきなり聞きなれないことば! 「労働委員会」とは?

労働委員会とは(東京都の場合)、労働組合と会社の間に生じたもめごと(集団的労働紛争、集団的労働問題と言ったりします)を解決するために設けられた組織で、今回は、先の大震災後、原子力発電所の復旧業務に下請けの従業員として従事したところ、いろいろな経緯で解雇となってしまった方が、労働組合を通じてそもそもおおもと(元請け)の東京電力に誠実に交渉に参加してもらいたい、と労働委員会に申し出た事案を傍聴しました。

裁判よりもおもしろいです! 

なにしろ距離感、ライブ感が違います。

裁判所の法廷は裁判の当事者(原告・被告・裁判官・事務官)と傍聴人の間に柵があり、明確に分離されていますが、労働委員会は大きめの会議室のような部屋で行うので当事者たちのすぐ後ろに傍聴人も座ります。もちろん東京地方裁判所であるような金属探知器による持ち物検査などという無粋なものもなく、傍聴人もいきなり部屋に入れます。

そして議事進行もスリリング! 

裁判も労働委員会も双方の言い分を裁判だったら裁判官、労働委員会だったら労働委員がじっくり聞いて終局的な判断を下す仕組みは変わらず、双方から証人に順番に聞きたいことを聞く(主尋問、反対尋問)運営じたいは同じなのですが、なんと言いましょうか労働委員会のほうがしばりがゆるいのです。

双方の弁護士同士のどなり合いが何度も繰り広げられ、傍聴人も合いの手を入れたり(本当は傍聴人は発言してはいけませんよ!!)、と厳粛な裁判に比べ本音が錯綜する空間です。

裁判と同様、解決までには複数の期日を要すること、東京の場合は労働組合に加入しないとこの制度を利用できないこと等制約もありますが、このような問題解決の手段もあるのか、と学んだ秋の一日でした。

双方にとって納得感のある結末になることをお祈りします。

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2014年10月01日

労災の裁判

こんにちはわーい(嬉しい顔)裁判傍聴チームの柏木です。
労働者を守る会の会員から紹介された横浜地裁に係属中の労災保険不支給処分取消訴訟を傍聴しに行ってきましたのでご紹介します。

まずは少し法律や制度のおはなしを。

業務上こうむったけがや病気は、労災により補償を受けられます。
一方、プライベートで受けたけがや病気は、健康保険より給付を受けられます。
※自営業、無職の方には違う制度があるのですが今日はふれません。

業務上その病気になってしまったかどうかを判断するのは労働基準監督署です。
決して会社や上司ではありませんexclamation×2

よく「会社に“これは労災じゃないよ”と言われた」という相談がありますが、会社が決めるものではありません(`・ω・´)

ときに、本人は仕事が原因で病気にかかってしまったと考えて「労災保険から給付をおねがいしますよ〜」と書類を提出したところ、労働基準監督署から「いやいや、あなたのご病気は仕事が原因ではなくご自身の事情によるものではないでしょうか、ついては労災保険からは給付を行うことができません」との返答がなされることがあります。

もちろんこうした場合にも健康保険からは給付を受けられるので、行き場がなくなってどこからもなにも助けてもらえないということにはならないのですが、そうは言ってもやはり自分としては仕事が原因でこの病気を得てしまったのだ、給付を行わないという決定(不支給処分)を取り消してくださいと審査請求、さらに再審査請求をすることも可能です。

問題は、その先ですexclamation×2

審査請求、再審査請求をしても言い分を聞いてもらえなかった場合などうなるのでしょうか?

答え:当初の不支給処分を取り消してほしい、と労働基準監督署(国)を相手にした不支給処分取消訴訟を提起することになります。

先日はその取消訴訟の本人尋問を傍聴しに行ってきました。

「尋問」と言うとちょっとおじけづいてしまうかもしれませんが、法廷は非常に和やかですわーい(嬉しい顔)
裁判官から質問があるときも「あなたは〜〜〜とおっしゃっていますが、もう少しくわしく教えていただけますか」というようにおだやかな物腰で進行します。
そうは言っても長丁場の尋問です、原告は相当お疲れのようにお見受けしました。
本人尋問を最後に次回はいよいよ判決です。ご納得のいく判決を得られることをお祈りするばかりです。

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posted by 労働者を守る会 at 14:18| Comment(0) | TrackBack(0) | 裁判傍聴