当事者である方を講師として行いました。
トランスジェンダーとは戸籍上の性別と自己が認識している性別が異なっている状態で、
自己が認識している性別に移行している(した)人です。(これも教えていただいたことです!)
最近ではダイバーシティといった言葉をぼちぼち見かけるようになり、
何となく「大丈夫!ちゃんと配慮したら良いんでしょ?」と考えていましたが、
教えていただくとほんの入り口部分でも色々な切り口があることに気づかされました。
まず、性別移行ということは医療上の処置を伴うのですが、
これもどこまでの処置を行うかは個人の判断や事情によりけりで、
皆さんが同じ処置をゴールとしているわけではありません。
さらにそういった処置を行える医療機関も限られており、時間や費用も大きな負担となります。
まずは時間をかけて医師による認定を受けるところからスタートです。
やはり原則健康保険は使えないわけですが、
よくよく考えると「本来の自分に体を合わせる処置」なので美容の処置とはまったく異なるものだと思います。
こんな感じで医療上のお話を伺ったあとは法律や行政上でのお話です。
ここで中心になるのは「性同一性障害特例法」です。
この法律により戸籍を変えることが可能となりました。
戸籍を変えることで当然行政上の扱いにもメリットが出てきます。
ただ、これまた先の医療上の処置含め要件が色々あり簡単にできるものではありません。
処置に健康保険が使えない以上、お金がないことが原因で苦しい思いを持たれている方も多いのではないかと思います。
最後は職場でのお話です。
これについては想像していた以上に職場全体として答えを用意すべきことが多く驚きました。
当然といえば当然ですが「接客業ならどうするの?」「トイレはどうするの?」「同僚はどう接するべき?」などなど。。。
理想論はあるのですが、職場と当事者がWinWinの関係になるにはしっかり他項目にわたり考えておくべきかなとも考えます。
というわけで勉強会の内容を簡単にまとめてみました。
硬い文面になってしまいましたが一言で言うと
「本来の自分として接してもらおうとするだけで、ここまでの苦労がまだまだ必要!」
ということです。
そもそも、性同一性「障害」って考えが先進国の中では日本が唯一とのことでした。。。
たまたまですが勉強会の前にラジオでLGBTQについてのお話を聴くことがありました。
先に書いたとおり本来の自分になるために知識、時間、お金の負担が必要です。
勉強会の講師役の方は努力により乗り切られている様子でした。
ラジオでは思春期のLGBTQについてのお話でした。
まだ若いので知識、時間、お金いずれもなく、とても過酷な状況といえます。
たとえば誰かが悪気なくいわゆるオネエ言葉で笑いを取って皆がどっと受ける。
実は笑っている中に取り返しつかないくらい傷ついている人がいるかも知れないんです。
でも考えるとLGBTQってのが特別なんではなくて、誰でも同じように配慮してほしいこと、
触れてほしくないことって、ひとつふたつ実はありますよね。
ダイバーシティと聞いて「人のための配慮」と緊張しがちですが合わせて「自分のための配慮」も
考えるとするするとイメージできるのかもしれません。
勉強会の後はお約束の懇親会!
会員の方がリーズナブルながら眺めの良い居酒屋を発見してくださり、あーだこーだ語らいました。
思わぬ穴場発見です!
大阪勉強会月イチ定期で行っております。
会員以外の方も参加しておりますので、ご興味ある方はぜひお気軽にご参加ください。
以上、報告は大阪会員の木ノ下でした!
NPO法人労働者を守る会ホームページ
労働者を守る会

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