派遣に登録し、仕事を紹介してもらったら、
「お仕事開始の前に職場見学をしていただきます」
と言われた人は多いと思います。
仕事開始前に、派遣先と面接をすることは法律で禁止されています。
ですから、派遣会社は「面接」と言わず「職場見学」とか「打ち合わせ」「詳細確認」などと言って、実際には面接のようなことを行っています。
労働局の人の話によると、この事前面接、行っている派遣会社は全体の約90%くらいあるだろうとのこと。
この「職場見学」という名の事前面接に行って、そのあとに、
「結果は、今回のお仕事はダメでした」とか「キャンセルになりました」と言われた方もいらっしゃるでしょう。
え

ただの職場見学と言っていたのに、やっぱり面接だったんじゃん

そう思われたでしょう。
90%もの派遣会社が事前面接をやっていて、なぜこの違法が取り締まれないの?
みなさん不思議だと思うでしょう。
そのカラクリをご説明します。
まず、職場見学という名で、派遣スタッフの同意を得てから行っているので、この時点では違法とは言い切れません。
(本人の希望で職場見学をすることは可能なのです。)
「いや、強制でしたが」という声も聞こえそうですが、よく思い出してみると、派遣会社も「必須です」とは言っていないはず。
「職場見学のご希望のお日にちですが・・・」
「では、○月○日で」
自然な会話の流れですが、この時点で同意とか本人の希望だとみなされるのでしょう。
ではでは、職場見学に行った後に「ダメでした」の連絡が来るのは、これを事前面接と言わずに何という

ここからがテクニック

それは、派遣先は、いくつもの派遣会社(派遣元)を呼んで、何人もと面接をしているのです。
面接をするのは、一つの派遣会社(派遣元)につき一人の派遣社員です。←ここがポイント

そして、気に入った人を選ぶわけですが、面接の結果ダメだった人をどう断るかが問題になってきます。
「ほかの方に決まりました」
と言ってしまっては、バッチリ「実は事前面接でした〜」ということになっていまします。
ここで重要になるのがさきほどのポイント

「人を選んだ」のではなく「派遣会社(派遣元)を選んだ」と言うのです。
一つの派遣会社から一人しか面接していないので、この断り方ができます。
選ばれなかった人には「会社間の契約が破たんになりました」という説明をします。
どうです?これなら違法とは言い切れないでしょう。
こんな裏ワザを使って、世の中の90%もの派遣会社が法の目を潜り抜けているのです。
あれ?でもこれじゃあ派遣会社は契約がなくなってしまうデメリットだけで、何もメリットはないよね・・・
そうです、このメリットは、派遣先にあるのです。
派遣先が何社とも面接しているのは、派遣会社も知らない場合があります。
事前面接は、派遣元である派遣会社ばかりが悪く言われることが多いのですが、
悪知恵を使っているのは派遣先かもしれません。
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posted by 労働者を守る会 at 07:00|
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